ITトランスフォーメーションによる業務効率化

最近では「デジタライゼーション」や「デジタルトランスフォーメーション」、「ITトランスフォーメーション」という言葉をいろいろなところで見聞きするようになりました。
今のこの時代になぜこれらの用語が注目され、推奨・推進されるようになったのでしょうか。
今回は実際の現場で起きた事例をもとに、ITトランスフォーメーションで得られたメリットなどと併せ、その必要性を確かめていきます。

 

日本では中高年層のデジタルに対するリテラシーが低い問題がある

これまでの日本の働き方を振り返ってみると、世界中と比較してもアナログ趣向と言わざるを得ない状況でした。
海の外ではITの進化に合せて様々な企業でデジタル化が推進され、実際に導入されて現場で効果を示してきていました。
それにも関わらず、日本ではデジタルに中高年層のデジタルに対するリテラシーの低さや抵抗感も相まって、なかなか柔軟にITを軸としたデジタライゼーションやデジタルトランスフォーメーションの歩みを進めることができずにいました。
しかしながらここ数年で世界中の多くの企業動向を眺めながら危機感を得ることができ、日本でも急激にこれらの言葉が用いられるようになりました。

 

デジタルトランスフォーメーションで得られる効果

では、実際に「デジタルトランスフォーメーション」や「ITトランスフォーメーション」で得られる効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下はとある企業での一例となりますが、得られるメリットは単に単一業務の効率化にとどまらず、組織改革へとつながっていて、曳いては従業員のES向上や働き方改革などにダイレクトに繋がるものだということを実感指定いただけるものと思います。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を事業とするとある企業では、作業者として1日に100名前後の派遣スタッフや直雇用のアルバイトスタッフが働いていました。
その中のとある現場では、業務の管理者の一つのタスクにスタッフの勤怠データ管理も含まれていました。
勤怠データの集計を行っている庶務や総務などの各部署とデータのやりとりが必要であったため、日々の業務時間のうち2割近くの時間を勤怠データの管理に時間を費やしていました。
また、その際のデータの管理方法は出勤簿と呼ばれる紙媒体のシフト表に出勤があったタイミングで適宜記入していくというものでした。
また、手入力したデータを後でまとめてエクセルのデータに起こして不備を確認した後に、総務部へデータを提出するという流れになっていました。
そのため、現場の管理者が本来であれば本業とする業務内容の時間を割かれてしまい、業務情報の把握や分析、施策の検討や資料の作成などに費やす時間が慢性的に奪われている状況が続いていました。

 

勤怠データ管理のIDカード認証

上記の様な日々を過ごす中で、業務管理者は精神的にピリピリとし、ほか管理者との関係性も徐々に悪循環に見舞われしまい、その結果としてほか管理者はさらに下の部下やスタッフさんへの当たりが強くなってしまうという状況を招いてしまいました。

そんな折、勤怠データ管理をIDカード認証にするという話が持ち上がり、藁にもすがる思いで当該システムの導入を進めたのですが、その結果は目を見張るものがありました。

まず、これまでボトルネックとなっていた勤怠データの入力や確認という非効率な単一作業を、スタッフがIDカードリーダーへIDカードをかざすという単純な行為だけにほぼ置き換えることができる様になり、管理者の稼働を大幅に咲いていた非効率な単一作業の削減を早期に実現することに繋がりました。
また、これまで割かれていた時間を本業に充てられるようになり、業務情報や状況を落ち着いて冷静に整理する時間が得られる様になったことで、日々のタスクに追われる状況から業務スケジュールの見直しに繋がり、より高効率な時間効率を得ることに繋がりました。
本来時間をかけるべき内容に時間を掛けられる様になったことで一つ一つの行動や支持の質も向上し、本業について更に落ち着いて仕事ができるようになったためパフォーマンスの向上につながり、更には残業時間の削減や精神的な余裕が生まれはじめました。
管理者個々に徐々に精神的な余裕が生まれるとともに、スタッフへの当たりも和らいで全体の人間関係も本来目指すべき正常な状態へと好転させることができました。
職場内での人間関係や信頼関係が好転することで、組織としての全体士気も向上してパフォーマンスや成果が飛躍的に向上したことは言うまでもありません。

 

まとめ

これまでに記したように、「デジタルトランスフォーメーション」や「ITトランスフォーメーション」で得られるメリットは、単に単純な作業のデジタル化だけではなく、より広い範囲で影響力を持った組織改革や変革を指し示していることを垣間見ることができます。

「働き方改革」とセットの様に「デジタルトランスフォーメーション」や「ITトランスフォーメーション」という言葉が用いられる背景には、社会全体で旧来のやり方からのパラダイムシフトを必要とする思いがあるようです。